離婚・男女問題コラム

2017.08.17更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。


ここ数年,著名人や政治家等の不倫疑惑の報道が絶えません。その際,ホテル等に入って出ている写真等が撮影されているにもかかわらず,「何もなかった」,「一線は超えていない」などと苦しい言い訳をされる方もおられます。
たしかに,性交渉に及んでいたという明白な証拠はないのですが,もし上記のような言い訳が通用するのであれば,浮気調査など意味がないという話にもなりかねません。
ただ,これは別に著名人らに限った話ではなく,当職らが担当する離婚等の事件においてもしばしば主張される話なのです。

そこで,今回は,不貞行為による慰謝料請求や離婚等請求の訴訟などで,配偶者以外の女性とホテルに入ったという事実だけで,「肉体関係があった」と認定されてしまうのか,「何もなかった」という言い訳は通用するのかといった話について解説したいと思います。


●肉体関係があったとする非常に強い推認が働く


まず,「ホテルに入ったが,何もしていない」という言い訳が通用するほど裁判は甘くはありません。裁判のルールとして,慰謝料や離婚を請求する場合は,請求する側が相手の不貞行為,最も核心的な行為は性交渉等肉体関係があったこととなりますが,かかる事実をを主張・立証しなければなりません。不貞行為の証拠としては,メールやSNSでのやりとりのほか,実際に肉体関係があることを連想させる写真なども証拠としては有効です。
では上記のように,配偶者以外の異性と2人でホテルの同じ部屋に入った証拠があるとします。ホテルという性質上,成人した男女がホテルという密室に入ったうえで,「ただ休憩しただけ」,「話をしただけ」という状況は想定しづらいと思います。経験則上,社会通念からいっても,肉体関係があったと認定できる非常に強い推認力が働きます。

ただ,それでも当事者が「何もしていない」と主張した場合には,どうなるのでしょうか。
その場合,肉体関係がなかったと主張する側が,「肉体関係があった」とする推認を覆さない限り,責任は免れません。単なる主張だけでは推認を覆すことはできません。
言い換えますと,どんな言い訳をしたところで,配偶者以外の異性とホテルの同じ部屋に入った事実があったとすれば,それだけでほぼ不貞行為はあったものと認定されてしまうと思います。

ではかりに,肉体関係が本当になかった場合,配偶者以外の異性とホテルへ入る行為には,何らかの法的問題につながる可能性はあるのでしょうか。
肉体関係がなかった場合でも,そのことが原因となって婚姻関係が悪化したといえる場合には,慰謝料請求ができる可能性もあるかもしれません。また,そのことをきっかけとして長期間の別居に至れば,「婚姻関係を継続し難い重大な事由」があるとして離婚原因とされる場合もあります。

投稿者: 弁護士濵門俊也

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