離婚・男女問題コラム

2017.12.19更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。


●嫡出否認を夫のみに認める民法規定の合憲性を争った事件の第一審判決

 生まれた子との父子関係を否定する「嫡出の否認」を「夫」にのみ認める民法の規定(民法774条,同775条等)は,男女平等を定めた日本国憲法14条等に違反するとして,兵庫県の60代の女性と長女,孫2人が国を相手に計220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が平成29年11月29日,神戸地方裁判所で下されました。冨田一彦裁判長は「規定は合憲」と述べ,請求を棄却しました。原告側は控訴する方針だそうです。

 原告側代理人の弁護士によると,嫡出否認規定の違憲性を争う訴訟は全国で初めてだそうです。
 冨田裁判長は,夫にのみ否認権を認めることは「生物学上と法律上の父子関係を一致させる要請と,早期に父子関係を確定し身分関係の法的安定を保持する要請との妥協点で,合理性がある」と述べました。
判決によりますと,女性は約30年前,元夫の暴力を理由に別居し,離婚成立前に別の男性との間に長女を出産しました。しかし,男性を父とする出生届は「妻が婚姻中に懐胎した子は,夫の子と推定する」とする民法772条1項の規定により不受理となりました。
 女性は元夫との接触を恐れ,嫡出否認の訴え(民法775条)を提起してもらうことを断念しました。結局長女とその子ども2人は昨年まで無戸籍でした。訴訟では「妻や子が訴えを起こせれば無戸籍にならなかった」と主張していたそうです。
 冨田裁判長は,原告のようなケースについて,「訴訟手続上の個人情報の秘匿や,夫の暴力から保護する法整備などが必要」と言及しています。こうした対策がなければ,妻に嫡出否認の提訴権を認めても行使は困難なことがあると指摘しました。


●無戸籍者問題

 出生届が提出されていない無戸籍者が平成29年8月10日時点で700人いることが,法務省の集計で分かっています。
 このうち,民法772条が定める「嫡出の推定」によって夫(夫が虐待を加えており,それから逃れているようなケース)や元夫(離婚直後に別の男性との間で懐胎したようなケース)の子とするのを避けるため,母親があえて届け出ないケースが約7割にも上っているそうです。無戸籍者は把握できていない例が多く,潜在的に1万人を超えるとの見方もあり,法務省は無戸籍状態の解消について法務局などに相談するよう呼び掛けています。
 法務省が統計を取り始めた平成26年以降に把握した無戸籍者の累計は1426人です。判明後に戸籍を取得した人もいるのですが,先ほどの無戸籍者700人のうち131人は成人しているそうです。また,700人という数字は,平成27年3月時点の567人よりも増えています。
 無戸籍状態を解消するには,家庭裁判所の調停などで元夫との間に父子関係がないことを確認したり,血縁上の父に父子関係を認めてもらったりしたうえで,戸籍を取得する必要があります。家庭裁判所での手続には精神的,金銭的な負担が大きく,ためらう人も多いのかもしれませんが,少なくとも金銭的な負担は法テラスの民事法律扶助制度を利用するなどして対応できます。精神的負担等を少しでも軽減すべく我ら弁護士がサポートいたします。


●無戸籍者問題にお困りのかたは,当職弁護士濵門俊也までご相談ください。

 無戸籍の方が母の元夫の戸籍に記載されることを求めない場合の手続は,つぎのようなものがあります。

 まず,戸籍事務の担当者に,嫡出の推定が及ばないということがはっきり分かれば,嫡出否認の手続によることなく,戸籍上元夫の子とはしないという取扱いが可能です。そのような例としては,まず,離婚後300日以内に出生した子であっても,医師の作成した証明書により,婚姻中に懐胎した子ではないこと(=離婚後に懐胎したこと)を直接証明することができる場合があります。


 このほかにも,裁判手続において嫡出の推定が及ばない事情が証明されれば,嫡出否認の手続によることなく元夫との父子関係を争うことが可能とされています。その結果,元夫との間に父子関係がないことが明らかになれば,戸籍上も元夫の子として取り扱わないことが可能です。どのような場合に嫡出推定が及ばない事情があるといえるかについて,最高裁判所は,「妻が子を懐胎すべき時期に,既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ,又は遠隔地に居住して,夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合」と判示しており,一般的には,母の懐胎時に外観上婚姻の実態がない場合をいうと解されています。裁判手続によらなければならないのは,このような事情があるか否かについて,市区町村の戸籍窓口で調査し認定することは困難なためです。

 裁判手続の具体的な方法としては,①元夫を相手として,父子関係がないことの確認を求める親子関係不存在確認の手続,②血縁上の父を相手として,子であると認めることを求める強制認知の手続があります。これらの方法であれば,元夫からしかできない嫡出否認の手続と異なり,無戸籍の方又は母が自ら行うことができます。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2017.10.04更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかどとしや)です。


仏教学者である植木雅俊先生が,西日本新聞に連載中の「仏教50話」15回(平成29年10月3日付け)に,つぎのような一節がありました。

……………………

「仏陀(ぶっだ)」と書くと,人間離れした特別の存在として受け取られ,「成仏(じょうぶつ)」と言うと,その特別な存在になることか,死後のことだと思われる。

原始仏典にはしばしばブッダの複数形が登場し,釈尊のみを示す固有名詞ではなく,普通名詞である。「法(理法)/〝真の自己〟に目覚めた人」のことだ。

「成仏」という言葉の意味は,「仏に成る」よりも「法/〝真の自己〟に目覚める」のほうが正確である。「仏に成る」では,現在の自己(人間)と別の存在になることになり,現在の自己が否定される。人間存在は否定されるべきでなく,法/〝真の自己〟に目覚めればよい。

釈尊入滅後,教団の権威主義化に伴い「釈尊は天文学的な時間をかけて修行してブッダになった。ブッダになれるのは釈尊のみ」と神格化された。 ところが,最古層の原始仏典には「まのあたり即時に実現され,時を要しない法」という言葉が頻出する。天文学的時間など必要なかった。それは即身成仏,一生成仏を意味する。

……………………

「成仏」とは「法/〝真の自己〟に目覚める」こと,このことを「わかった」だけでは「かわりません」。「わかる」ことよりも「かわる」ことが大事であるといわれます。
そして,「かわる」ことは,「これまでの考え方がかわり行動もかわる」ことになり,その結果「わかった」となるわけです。
「かわりたい」のであれば,まず「かわることを信じて行動する」ということが大切です。その不断の努力が自己の人格を覚醒していくこととなります。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2017.08.29更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。


最近当職の皮膚感覚として,面会交流について知恵を絞る場面が増えています。自分自身のことすらよく分かっていないのに,人の気持ちなど理解できるわけないのですが,そこで諦めたら試合終了です。決して諦めることなく,それでも何かあるはずだと子の利益・福祉や様々なことを考慮し,いかにうまく面会交流できるのかを考えています。
さて,面会交流といいますと,別居している親と子どもとが実際に会うことをイメージしがちですが,このような直接的な面会交流だけではなく,間接的に交流する面会交流もあります。今回は,間接面会交流について説明したいと思います。


1 どんなときに間接面会交流か
面会交流の目的は,親が子どもの成長を実感し,子どもも親から愛されていることを実感する点にあります。そのため,基本的には,話をしたり,遊んだり,食事をしたりと直接会って交流することが前提です。しかし,すべての親子にとって直接会う面会交流がベストなのではなく,間接的な面会交流の方がマッチする親子もいます。

1-1 別居親と子どもが遠距離のとき
別居親と子どもとの関係がいかに良好でも,住まいが遠く離れていると,時間的にも金銭的にもそう頻繁には会えません。そのため,直接会うのは夏休みと冬休みにお泊りすることとし,他は間接的な面会交流で補うという方法もあります。

1-2 子どもの拒否が強いとき
家庭裁判所において面会交流の案件が扱われる場合,子どもが拒否しているからといってただちに面会交流できないこととはなりません。どうして子どもが拒否しているのか,拒否の背景に同居親の問題行為(別居親の悪口を言う等)があるのではないか等といったことを考えていくこととなります。そのため,子どもが拒否しているからといって直接的な面会交流への道が閉ざされるわけではありません。
しかし,何ら合理的な理由はないけれど子どもの拒否が強いときや,子どもの年齢がある程度高いときは,むりやり直接的な面会交流を決めても実効性がありませんので,まずは間接で実施しましょう,という結論になることもあります。裁判所以外の協議の場でも同じことがいえると思います。

1-3 子どもが心身の病気であるとき
別居親には何ら問題はないのですが,子ども側の要因で直接会うことが難しい場合があります。例えば,父母の激しい紛争に巻き込まれた結果,別居親と会うと心身の不調を訴える子どもがいます。また,精神的な問題ではないけれど,難病や持病があり,同居親から「しばらくはそっとしておいてほしい。」という希望が出されることもあります。

1-4 親子が長い間会っていないとき
別居親と子どもが長い間会っていないとか,そのせいで既に子どもが別居親の顔を忘れてしまっているという場合があります。この場合,家庭裁判所であれば(とくに子どもが小さい場合),まずは「おじさん」,「おばさん」と遊んでみようという設定で試行的面会交流を行うことも考えられます。しかし,子どもがごまかしの聞かない年齢になっている場合などは,まずは間接面会交流で慣らしてから直接面会交流につなげるという方法があります。長い間会っていなからといってあきらめる必要はありません。ただ,長い間会っていない理由が別居親にある場合は,その理由をきちんと子どもに説明する必要があります。


2 間接面会交流の方法
2-1 手紙
一番オーソドックスな方法は手紙です。とくに有効なのは,子どもの拒否があるときです。別居親からのみ手紙を書くこととし,それを読むか読まないか,返事を書くか書かないかは子どもの自由という具合にしておけば,別居親の関心は伝わるけれど子どもの負担は少なくて済むことになります。子どもの拒否がない場合は,文通も可能です。
手紙は,メールやLINEに比べますと面倒で,今どきの子どもは嫌がると思われがちですが,きちんとした形で手元に残ること,また,普段もらわないからこそ自分宛に届いた手紙が嬉しかったり特別感があったりするようです。ただ,手紙の内容には注意が必要です。離婚の経緯を説明しようとして同居親の悪口を書いてしまったり,親として何かを伝えたいという気持ちが強くて説教調になってしまっては元も子もありません。お互いの近況や,趣味についてでもいいですし,子どもをほめたり応援する言葉も子どもを勇気付けると思います。

2-2 メールやLINE,SNSやfacebookなどのやりとり
今どきの子どもにとっては一番手軽で気負いなくやりとりができるツールです。直接的にやりとりがなくても,お互いのfacebookが見られるようにしておけば,近況や友人関係が分かり,意外と情報が豊富だったりします。一方で,手軽なゆえに別居親から際限なくメッセージを送り続けたりといったトラブルにもなりかねません。節度ある利用が肝心です。

2-3 別居親からプレゼントを渡す
本来,子どもの気持ちは物でつれるものではありませんが,プレゼントをもらえば純粋に嬉しいものです。お誕生日やクリスマスのプレゼント,お正月のお年玉といったものを親からもらうのを楽しみにしているお子さんも多いでしょう。とくに,子どもに拒否があるときは有効です。また,何がほしいかをリサーチする過程で双方向のやりとりも期待できます。ただ,同居親がとても高価なものや生活用品(例えば家電とか)を子どもにねだらせたりして問題化することもあります。通常,親であれば,子どもをどんな風にしつけるでしょうか?別居親のためではなく子どものために,「高価なものをほしがってはいけません。」,「ものをもらったらきちんとお礼を言いなさい。」と言ってあげてください。
プレゼントの内容もいろいろ考えられます。子どもの好きなものを買ってやるのもいいですが,たまには別居親の思いがこもったプレゼントもいいと思います。例えば,子どもの年齢が高ければ,別居親が昔読んで心に残っている本や感動した映画のDVDをプレゼントしたり,是非見に行ってほしい美術館や演奏会のチケットを送ったりするのもいいかもしれません。また,部活動に必要な道具(ボールやラケット,シューズ等)や比較的高価な学用品(電子辞書など)も同居親も含めて喜ばれることが多いと思います。その際,プレゼントのみではなく,メッセージカードも忘れずに付けておきましょう。

2-4 写真や成績表の送付
親からしてみれば,面会交流の目的の一つは子どもの成長を確認することです。しかし,直接会わずとも,写真や成績表といったものを同居親から別居親に送ることでその目的をわずかではありますが達することができます。この方法のいいところは,子どもに何ら負担がないことです。そのため,子どもの拒否が強い場合などには有効です。中には,「お父さん(お母さん)に送らないで」と嫌がるお子さんもいますが,そのくらいは同居親に頑張って説得してもらいたいものです。

2-5 電話やスカイプ
間接と直接の間ぐらいに位置するのが電話やスカイプといった方法です。同じ空間に存在するわけではないけれど,生のやり取りができますし,声が聞けたり顔が見られたりする点で限りなく直接的な面会交流に近い交流が期待できます。ただ,注意が必要なのは,電話やスカイプというのは,直接会って一緒に買い物をしたりするよりも交流の密度が濃く,相手と向き合う姿勢が求められます。そのため,遠距離で頻繁には会えないけれど,親子の関係は良好である場合に有効です。また,この場合,子どもが同居親に気兼ねをしてしまったり,同居親が監視したりするのを避けるため,「子ども部屋で」とか「同居親は別室で待機する」等の注意事項をつけることも考えられます。

2-6 その他
そのほかには,別居親の記憶がほとんどない幼い子どもに,定期的に別居親から送られてくる動画を見せるとか,子どもが書いた絵や作文を別居親に送るとか,引きこもりの子どもとオンラインゲームで対戦するとか,親子の数だけ方法があるようにも思います。

3 まとめ
上記に挙げた方法のほかにも,それぞれの親子に合った方法が考えられます。ただ,間接面会交流は,面会交流を求める側にとっては物足りない気持ちが残るものです。また,本来であれば,親子が直接かかわれるのがお互いにとっていいはずです。そのため,家庭裁判所で取り決めをする際,「再協議時期」を条項に入れることがあります。例えば,当面は間接面会交流でいくけれども,半年後に直接面会交流に関する協議を行うといった具合です。
どのような決め方をするにしろ,一番大切なことは,双方の親には自分たちの感情を少し脇においていただき,子どものことを思い浮かべてよりベターな方法を模索することではないかと考えます。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2017.08.17更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。


ここ数年,著名人や政治家等の不倫疑惑の報道が絶えません。その際,ホテル等に入って出ている写真等が撮影されているにもかかわらず,「何もなかった」,「一線は超えていない」などと苦しい言い訳をされる方もおられます。
たしかに,性交渉に及んでいたという明白な証拠はないのですが,もし上記のような言い訳が通用するのであれば,浮気調査など意味がないという話にもなりかねません。
ただ,これは別に著名人らに限った話ではなく,当職らが担当する離婚等の事件においてもしばしば主張される話なのです。

そこで,今回は,不貞行為による慰謝料請求や離婚等請求の訴訟などで,配偶者以外の女性とホテルに入ったという事実だけで,「肉体関係があった」と認定されてしまうのか,「何もなかった」という言い訳は通用するのかといった話について解説したいと思います。


●肉体関係があったとする非常に強い推認が働く


まず,「ホテルに入ったが,何もしていない」という言い訳が通用するほど裁判は甘くはありません。裁判のルールとして,慰謝料や離婚を請求する場合は,請求する側が相手の不貞行為,最も核心的な行為は性交渉等肉体関係があったこととなりますが,かかる事実をを主張・立証しなければなりません。不貞行為の証拠としては,メールやSNSでのやりとりのほか,実際に肉体関係があることを連想させる写真なども証拠としては有効です。
では上記のように,配偶者以外の異性と2人でホテルの同じ部屋に入った証拠があるとします。ホテルという性質上,成人した男女がホテルという密室に入ったうえで,「ただ休憩しただけ」,「話をしただけ」という状況は想定しづらいと思います。経験則上,社会通念からいっても,肉体関係があったと認定できる非常に強い推認力が働きます。

ただ,それでも当事者が「何もしていない」と主張した場合には,どうなるのでしょうか。
その場合,肉体関係がなかったと主張する側が,「肉体関係があった」とする推認を覆さない限り,責任は免れません。単なる主張だけでは推認を覆すことはできません。
言い換えますと,どんな言い訳をしたところで,配偶者以外の異性とホテルの同じ部屋に入った事実があったとすれば,それだけでほぼ不貞行為はあったものと認定されてしまうと思います。

ではかりに,肉体関係が本当になかった場合,配偶者以外の異性とホテルへ入る行為には,何らかの法的問題につながる可能性はあるのでしょうか。
肉体関係がなかった場合でも,そのことが原因となって婚姻関係が悪化したといえる場合には,慰謝料請求ができる可能性もあるかもしれません。また,そのことをきっかけとして長期間の別居に至れば,「婚姻関係を継続し難い重大な事由」があるとして離婚原因とされる場合もあります。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2017.08.09更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。


離婚に向けての話合いや別居をしている間の「不倫」に関し,法律相談を受けることがあります。
ある男性は,奥さんが家事をしなかったり,セックスレスだった結婚生活に見切りをつけるために別居をして,離婚に向けての話合いをしていました。ただ,別居から半年の間に,別の女性と親しくなってしまったそうです。男性は「それでも不貞行為に当たるのか」と心配していました。
また,ある女性は,旦那さんから「離婚したい」といわれて別居することとなりました。ところが,その後,旦那さんが彼女をつくって交際していることを知りました。とてもショックを受けている様子で,慰謝料を求めたいと考えていました。
たしかに,離婚に向けての話合いをしているとはいえ,相手がすぐに離婚に応じない場合,不倫していたら道義的には問題がありそうです。一方で,もはや修復不可能なくらいの期間別居している場合は,新しいパートナーをつくっても許されそうな気もします。法的にはどんな問題があるのでしょうか。


●婚姻関係がすでに破綻している場合は「不貞行為」に当たらない


離婚が成立しておらず,法律上の婚姻関係が継続しているときは,基本的に「不貞行為」に該当するものと考えられます。「不貞行為」は,法律上の離婚理由となり,不法行為として損害賠償責任を負うこととなります。
ただし,離婚協議中や別居中であるとして,その状況,別居期間及び別居の理由などの事情を総合的に考慮したうえで,夫婦の婚姻関係はすでに破綻していると認められる場合には,不貞行為には該当せず有責配偶者として責任を負うことにはならないと考えられます。
これは,配偶者の一方が別の異性と性的関係をもったとしても,すでに保護に値する夫婦間の貞操義務はなくなっており,そして配偶者の一方が別の異性と性的関係をもつことは,夫婦の婚姻関係を破綻させた事情ではないと評価できるためです。


●「破綻」と認められる基準はあるの?


同居しているよりは,別居中のほうが破綻と判断されやすいとか,別居して間もないよりも,長期間別居を継続しているほうが破綻と判断されやすいといった傾向はあります。また,同居していても,別居期間が短くても,それまでの関係性や状況によっては,破綻していると判断される場合もあります。
逆に,別居期間が1年以上になっていたとしても,この間,子育てだったり,家族生活の維持に相互に協力していたと認められるとしますと,破綻してないと判断されることもあります。このような次第ですから,破綻と認められる基準のようなものを一概に示すことは難しいと思います。
裁判上の離婚事由として,民法で規定されている「不貞行為」の核心的行為は,性交渉(セックスや口淫など)を伴う行為です。そこまで至らないのであれば,不貞行為そのものとはいいにくいですが,それに準じる行為という認定を受けることはあります。また,裁判上の離婚事由としては,「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当すると認定されることはあります。
ですから,「不貞行為」には該当しなくても,交際の程度によっては,法的にも「許されないこと」(違法性・有責性があること)に該当する可能性があるものもあり得ます。
結局,違法性・有責性があるかどうかは,婚姻関係の破綻と評価される状況になってから,交際したかどうかという問題となるますので,なかなか事前に「これなら大丈夫」と太鼓判を押すことは,ほぼできないと思います。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2017.07.14更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。


離婚後の子どもの親権をめぐり,「年間100日,母親が子どもと会えるようにする」と提案した父親を親権者とすべきかどうかが争われた離婚等請求訴訟の上告審について,父親の逆転敗訴とし,母親を親権者と認めた第二審・東京高等裁判所判決が確定したとのニュース報道が飛び込んできました。最高裁第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)が,平成29年7月12日付けの決定において父親の上告を棄却したそうです。


第一審,第二審判決によりますと,40代の母親が平成22年,当時2歳の長女を連れて実家に戻り,別居を開始。父親は数回,長女と面会できたのですが,その後は夫婦間の対立が深まり,面会できなくなってしまいました。

昨年3月の第一審・千葉家庭裁判所松戸支部判決(平成28年3月29日)は,父親が家裁に提出した「長女と母親の面会交流を年間約100日確保する」とする計画と,母親の「父親との面会は月1回程度」とする意見を比較。「子が両親の愛情を受けて健全に育つには,父親を親権者にするのが相当」と判断しました。面会交流に寛容な点を重視し,子どもと別居中である夫を親権者とした判断は異例でした。いわゆる「フレンドリー・ペアレント・ルール」を適用した貴重な判決であると思いました。

しかし,今年1月の第二審・東京高裁判決(平成29年1月26日)は,面会交流は考慮要素の一つと指摘。「これまでの養育状況や子の現状,意思などを総合考慮すべきである」とし,母親を親権者とすべきであると結論づけていました。


●フレンドリー・ペアレント・ルールのおさらい


以前のブログにも解説したことがあるのですが,ここで「フレンドリー・ペアレント・ルール」のおさらいをしておきます。

離婚に際して同居親 (監護親)を決定する際には,

①元夫婦としての葛藤感情と切り離して別居親と子どもの面会交流に協力できるか
②子どもに別居親の存在を肯定的に伝えることができるか
③子どもが面会交流に消極的な場合に別居親との面会交流を子どもに働きかけることを同居親の責務と理解できているか
等が同居親としての適格性の判断基準とされる原則のことです。

この判断基準は “Friendly Parent Rule:フレンドリー・ペアレント・ルール"と呼ばれ,別居親と友好関係を保てる親を同居親決定の際に優先することを意味しています。

フレンドリー・ペアレント・ルールの訳語は,いまだ定まっていないようで,『友好的親条項』や『非監護親に対する寛容性の原則』などと訳されています。


離婚後の親権者・監護者の決定は,子の利益(民法819条6項)や福祉を基準として行われなければなりません。

しかし,父母共に子に対する強い愛情を有している場合には,何が子の利益であるかの判断は,さまざまな事情の総合判断によって決定されているのが実情です。

そして,近時,別居親と子の面会交渉を認めることができるか,別居親を信頼して寛容になれるか,元夫婦としての感情と切り離して,子に相手の存在を肯定的に伝えることができるかという点が,親権の適格性の判断基準の一つとなりつつあることが注目されているのです。

わが国でも,東京高決平 15 年 1 月 20 日家月 56 巻4号127頁で採用され,その後も判断基準のひとつの要件とされています(東京家裁八王子支部平成 21 年 1 月 22日審判家月 61 巻 11 号 87 頁)。

離婚後の親子の交流を促進させる親を適格な親とみなす考えといえますが,ハーグ条約批准後も民法改正後(民法766条)もなかなか重視されていないのが現状です。今回の最高裁決定も現状打破とはなりませんでした。しかし,「待て。しかして希望せよ」の心のままに前進していくほかありません。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2017.07.06更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。


さて,俳優のFEさんが,妻でタレントのMKさんに対し,離婚調停を申し立てているとある週刊誌報道がありました。

MKさんは平成29年6月27日,「1年5カ月も尾行され続けている」とブログを更新。また同年7月4日にはYouTubeに「MK,週刊Bにだまされた」と題した動画をアップロードしており,ネット上では「普通じゃないよ」,「完全に壊れてる。怖いよ」などと話題になっているようです。

2人は5年間の交際を経て,平成13年(2001年)6月に入籍。週刊Bオンラインによると,FEさんの代理人弁護士は「夫婦関係は完全に破綻している。離婚について2年ほど前から話し合ってきた」と話しているといいます。

2人は週刊誌報道などで,別居しているとも報じられています。調停でも話がまとまらなかった場合,どうなるのでしょうか。また,今後,離婚が認められるためには,何がポイントとなるのでしょうか。

 

●調停はあくまでも話合いの場にすぎない


本件は,FEさん側からすでに調停が申し立てられているようですが,離婚するに当たっては,いきなり裁判を提起することはできず,まずは調停で話合いをすることとされています(これを「調停前置主義」といいます。)。
調停は家庭裁判所を舞台とするあくまでも話合いの場ですので,離婚について合意に達することができれば離婚成立となりますが(この場合,調停成立日が離婚日となります。),合意に達することができなかった場合には調停不成立(不調)となり,一般的には離婚を求める側があらためて訴訟を提起することとなります。
FEさんの代理人弁護士のお話からしますと,FEさんとMKさんのお二人の夫婦関係は完全に破綻しており,離婚についても2年ほど前から話し合ってきたとのことですから,何かしらの結論が出るはずです。ただ,離婚については合意に至ったとしても,財産分与や慰謝料等,離婚条件について話合いがつかない場合もあり得ます。この場合,離婚だけは成立させて残りの問題は別途解決するという方策もあり得ますが,通常は単純に不調で終わらせることが多いです。


●今後,離婚が認められるためのポイント


今後,離婚が認められるポイントは,本件において法律上の離婚原因があるかどうかにかかってきます。
法律上の離婚原因は,民法第770条1項に列挙されています。


・配偶者の不貞行為(浮気・不倫)
・配偶者からの悪意の遺棄
・配偶者の3年以上の生死不明
・配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないこと
・その他婚姻を継続し難い重大な事由

一部の週刊誌報道では別居も伝えられています。この点に関し,別居そのものは法律上の離婚原因ではありませんが,その期間が相当期間に及んでいる場合には,婚姻関係が客観的にみて破綻しているとの事実認定に役立つ事由とされています。なお,別居については,MKさん側でこれを否定しているコメントを出されています(客観的にみますと別居に該当しそうですが,MKさん側で解釈の違いがあるようです。)。
また,MKさん側がアップロードしたYouTubeの画像では,FEさんの不貞行為も指摘されています。かりにFEさんが有責配偶者であるとしますと,離婚請求が棄却される可能性が高まります。
週刊誌報道だけでは事実関係について何ともいえませんが,訴訟に発展した場合には,それぞれによる具体的事実の主張・立証がなされるかと思います。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2017.05.01更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。


大阪府枚方市のとあるペット霊園が一方的に閉鎖したことに批判が集まっています。閉鎖したペット霊園では,利用者に十分な連絡が行き渡らないまま,墓の撤去作業などが進められていると,インターネット上で話題となっているようです。
ペットの墓を掘り返したり,勝手に処分したりすることは問題ないのでしょうか。人間ではなくペットの霊園であるという点について,何か法律上独自の問題があるのでしょうか。


●刑事上の責任は生じないが,民事上債務不履行責任や不法行為責任を負う場合はある


そもそも,人間のお墓を勝手に暴いたり,中の骨を処分したりする行為は,刑法上,「墳墓発掘罪」や「墳墓発掘死体損壊等罪」の構成要件に該当します。しかし,これらの罪はペットなどの動物のお墓や骨の場合を想定していませんので,本件でもこれらの罪には該当しません。
また,ペットの骨を山積みにして放置してされているとのことですが,ペットの骨は産業廃棄物にも該当しませんので「産業廃棄物処理法」に違反することもありません。


もっとも,本件ペット霊園の場合には自然葬(埋葬)の場合「7回忌まではお墓にいます」とホームページ上の記載がありました。
一般的にペット霊園と飼い主との間の契約は,お墓部分の土地の賃貸借契約や,ペットの遺骨を保管するという寄託契約の形態をとるものが多いようです。その他,様々な形態がありますが,いずれにしても,一定の期間を区切りながら,契約を更新していく形態をとっていることが多いようです。
本件においては,霊園と飼い主との間の契約の形態や内容がハッキリしていませんが,かりに,契約の期間内に飼い主の承諾を得ることなく一方的に霊園側がペットのお墓を撤去したり,骨を取り出して遺棄したりしたということであれば,債務不履行責任や不法行為責任を負う可能性はあると思われます。
その場合,飼い主は霊園側に対して,債務不履行や不法行為に基づく損害賠償請求をすることとなります。もちろん,それによって飼い主の悲しみや怒りが完全に拭い去れるというものではないかもしれません。


●霊園がとるべきであった対応


ニュース報道等によれば,霊園側は悪臭などに悩まされた周辺住民から立ち退きを求められていたようです。訴訟沙汰となり,土地から立ち退くことという条件で裁判上の和解が成立していたといいます。その点からしますと,お墓などを撤去して,土地から立ち退くこと自体はやむを得なかったのかもしれません。
ただ,それでも,きちんと飼い主に対して連絡・説明し,理解を得たうえでお墓を撤去し,遺骨は飼い主に返還するなどという対応はできたのではないかと思います。
今後ペット霊園を選ぶ際には,契約内容はもちろんですが,霊園側の管理体制などについてもしっかりと吟味することが必要となるでしょう。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2017.04.25更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。


最近ネットオークションサイト「メルカリ」や「ヤフーオークション」で,「諭吉10枚セット」などの現金が売られていることが話題となっています。4万円が5万600円,5万円は5万9500円などで売られていました。先の「諭吉10万セット」は,13万5000円の価格がついていたこともあります。

ネット上では「かなり斬新な買い物」などと驚きの声が寄せられているようですが,「これって法的な問題はないの?」といった投稿も寄せられています。そこで,今回は「現金出品」の法的な問題点について,説明します。


●「現金売買」法的な問題は?


ネットオークションサイトで売られている現金を購入する時は,クレジットカード払い,現金での支払い(ATMやコンビニ入金),携帯キャリア会社を介した入金など複数の方法があるようです。

そもそも「現金」を販売することに,法的な問題はないのでしょうか?
現金化業者にも,買取式とキャッシュバック式があります。そのうち買取式は利用者から品物を買い取り,転売することで利益を得ています。買取式現金化業者は中古品の売買に関わるので,古物商として登録が必要となります。
「希少価値の高い硬貨・紙幣」として売買するには,売る側に古物商としての許可が必要となります。「現在流通している硬貨・紙幣」についてはマネーロンダリングのおそれが高いように思います(実際,メルカリは現在流通している硬貨・紙幣の取扱いを中止しています。)。

今回は,利用者が多いと思われるクレジットカード払いについて説明しましょう。これは現金を買う側からすれば,「クレジットカードの現金化」をしているということとなります。

クレジッドカードには,「ショッピング枠」と「キャッシング枠」の2つの枠があります。「ショッピング枠」は文字通り「買い物」で利用できるもので,現金を直接手にすることはできません。一方の「キャッシング枠」は,コンビニエンスストアのATMなどで現金を借りることができるものです。基本的にキャッシング枠はショッピング枠の中に含まれています。

ヤフオクやメルカリに出品されている「現金」を購入することは,「ショッピング枠」を現金化することになります。現金を買う側としては,余分にお金を支払う代わりに速やかに現金を直接手に入れることができる仕組みとなっています。現金を売る側としては,余分に支払われたお金のうち,サイト運営者の手数料を引かれた残りの金額が利益となります。

どういう人が利用するのか気になりますが,多重債務者など,支払のため至急現金が必要な事情を抱える人たちでしょう。ただし,この行為は換金目的であるとしてクレジットカードの規約違反となるおそれがあります。発覚すれば,クレジットカード自体が使えなくなる可能性がありますのでご注意ください。


●クレジットカード現金化の違法性

 

それでは,ネットオークションを使ったクレジットカード現金化については,違法性があるといえるのでしょうか。結論からいえば,現状ではブラックに近いグレーゾーンにあるといえるでしょう。

ネット上では,「クレジットカード現金化は違法」と記載されている記事を見かけます。もちろん,クレジットカード現金化の業者が摘発される例が増えてきたことは間違いありません。

しかし,クレジットカード現金化の業者が摘発された事案をよくよくみてみますと,摘発された事案においてもクレジットカード現金化の行為そのものが違法とされて摘発されたというわけではなく,「貸金業法」(無許可営業)と「出資法」(違法金利など)を適用してその2つの法律違反として摘発されているようです。

貸金業法と出資法ですが,それぞれどこが法律に抵触したのでしょうか。

まず,クレジットカード現金化については,業者の行為が実質的にお金を貸し付ける行為であることから,貸金業者と認定しました。貸金業者としてお金を貸し付ける業務をするためには貸金業法によって登録しなければなりません。しかしながら,この登録をしていなかったことから,貸金業法に違反するとされました。

また,貸金業者としてお金を貸し付けるためには,出資法による上限金利がありますが,クレジットカード現金化による業者の貸付けは,この上限金利を上回った金利で貸し付けていれば,出資法違反となります。

なお,摘発されたのはクレジットカード現金化の業者であり,クレジットカード現金化の利用者は摘発を受けたことはありませんし,これからも摘発されることは少ないと考えられます。

しかしながら,ネットオークションを使った現金化が違法化の方向に向かっているのは間違いありませんので,クレジットカード現金化が規制される法律ができるなど,今後は,クレジットカード現金化自体が違法となる可能性もあります。法規制の動向には注意が必要です。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2017.02.09更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。


去る平成29年1月26日,注目の判決が東京高等裁判所(以下「東京高裁」といいます。)にて下されました。
ある夫婦の離婚をめぐり,子の親権が争われていた裁判で,東京高裁(菊池洋一裁判長)は1月26日,妻を親権者と判断しました。一審の千葉家庭裁判所松戸支部は昨年3月,長女(当時8歳)と6年近くも会っていない夫に親権を認め,妻側が控訴していました。親権をめぐる裁判のあり方を変える可能性があるとして注目を集めていたのですが,二審では判断が覆りました。夫側は上告の意向を示しています。

長女(現在9歳)の親権を争っていたのは,40代の夫妻です。一審判決によりますと,2人は価値観の違いなどから,長女の誕生後,険悪な関係になったそうです。妻は平成22年年5月,当時2歳の長女を連れて実家へ戻ったのです。その後,夫と長女との間では,何度か面会や電話でのやり取りはあったが,平成23年春ころから途絶していました。

一審は離婚を認めましたが,親権については従来と異なる判断枠組みを採用しました。親権争いでは「継続性」を重視し,同居中の親に親権を認めることが通例だが,一審は夫が母子の面会交流を年間100日認めるなど,母親に対し「寛容性」の高い条件を提示したことなどを評価し,夫に親権を認めていたのです。この点が,わが国でも「フレンドリー・ペアレント・ルール」を採用する流れができるかもしれないとの評価を受けていました(当職も淡い期待を抱いていました。)。

しかし,東京高裁の判決において,菊池裁判長は,これまでの長女の監護者が妻であったことや,妻と夫で監護能力に差がないこと,子どもが母親と一緒に暮らしたいとの意思を示していることなどを踏まえ,「現在の監護養育環境を変更しなければならないような必要性があるとの事情が見当たらない」として,長女の親権者を妻とするのが相当と判断しました。
一審では夫側が提案していた年間100日の面会交流を評価していたが,二審では,長女の身体への負担や友人との交流などに支障が生じるおそれがあるとして,「必ずしも長女の健全な生育にとって利益になるとは限らない」とされました。
また,妻が別居の際に,長女を無断で連れて行ったことについて,判決では,「夫の意に反することは明らかだったが,長女の利益の観点からみて,妻が親権者にふさわしくないとは認めがたい」とされました。

当職は唸りました。「司法の壁」の高さをあらためて感じました。自分の意思に反して無断で連れて行かれれば「連れ去られた」かもしれませんが,実際に監護をしていた親とすれば,そのまま置いていくことは「置き去り」になります。同じ事実でも見る景色が違えばまったく別物となってしまうのです。

平成25年の第183回通常国会において,5月22日にハーグ条約の締結が承認され,6月12日に「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律」(以下「実施法」といいます。)が成立しました。
条約及び実施法の承認・成立を受け,平成26年1月24日,わが国は,条約の署名,締結,公布にかかる閣議決定を行うとともに,条約に署名を行ったうえで,オランダ外務省に受諾書を寄託しました。この結果,日本について,ハーグ条約が同年4月1日に発効しました。しかし,いまだ法整備は途上ですし,ハーグ条約を精神を反映した実務運営もなされていません。
しかし,「それでも」と言い続けなければなりません。最後に当職の好きなデュマの『モンテ・クリスト伯』の最後の一節を引いて締めたいと思います。
「待て,しかして希望せよ!」

投稿者: 弁護士濵門俊也

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