ケースの紹介

2016.10.07更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 「嫁にAV全部捨てなきゃ離婚するって言われた」。このような投稿がインターネットの掲示板で話題になった。投稿者の男性は、大好きな某AV女優の出演作60本超を所有し、自室の本棚に並べていたが、妻が「気持ち悪い」と怒ったという。
 この投稿に対して、「浮気や風俗ならともかくAVくらいならいいのでは」「女性がジャニーズを応援するのと同じだろ」という意見や「同じ女優60本は嫁からしたら浮気みたいなもんだろうな」「棚に並べるのはありえない」などのコメントが寄せられた。結局、投稿者は人生初の土下座をして所有を許してもらい、妻からは「代わりに風俗とかは絶対行かないでよ、行ったら離婚」と言われたそうだ。
AVを大量に持っていたことが離婚理由になってしまうのだろうか。また、AVを持っていたということと、風俗に行ったり浮気したりすることは、法的に違いがあるのだろうか。 濵門俊也弁護士に聞いた。


●AV所持は、「不貞行為」の風俗・浮気と違う
 

「結論からいえば、AVを大量に所持していただけでは、離婚原因とはならないでしょう」
 このように濵門俊也弁護士は述べる。
 「離婚原因となる『不貞行為』とは、配偶者のある者が、自己の自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます(最判昭和48年11月15日民集27巻10号1323頁)。ですから、今回のケースのように、AVを大量に所持していたとしても『不貞行為』に該当しないことは明白です。
 風俗に行ったり、浮気をすることは、いずれも不貞行為に該当しえます。また、一般的な夫婦の倫理観からすれば、道義的にも法的にも悪い行為であるといえるでしょう。しかし、AVを所有しているからといって、その女優との性的関係を意味するわけではありません」
 けれども、妻にとって夫がAVを大量に持っていることは、精神的にも厳しい状態ではないだろうか。
 「そうですね。AVの大量所持が、民法770条1項5号にいう『婚姻を継続し難い重大な事由』に当たるかどうかが問題となります。この事由にはよく、『夫婦間の性格の不一致』が挙げられます。AVの大量所持は、妻としては、あまりいい気がしないはずです。しかし、夫婦間の性格の不一致があるとまではいえないのではないでしょうか。
 また、『相手方配偶者の性的異常』も離婚理由になり得ます。ただ、AVを大量に所持しているからといって、性的異常者と認定されることはないと思います。以上のことから、結局、離婚原因とはならないでしょう」

 濵門弁護士はこのように話していた。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.10.07更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。 

 

 夫がひそかに借金をしていた。夫婦で協力して返済をしていくこともありますが、借金を作った経緯や内容によっては、「もう、この人とは暮らせない」と決断することも考えられそうです。弁護士ドットコムの法律相談には、「夫の借金が発覚した! 離婚したい」という相談が数多く、寄せられています。

 A子さんの夫は、ギャンブルで借金を200万円も作っていました。結婚前にも同じように借金を作り、「もう2度としない」との約束で、結婚した経緯があります。結婚後わずか1年でその約束が破られたことから、子どもが生まれたばかりですが、「嘘をついて、自分を守ろうとする夫に、家族としての意味もわからない。限界です」と、離婚を考えています。

 結婚14年目で、夫の借金を知ったB子さんは「ずっとだまされ続けていたと思うと、離婚したくなりました」といいます。「子どもは3人、借金は総額350万円ほど。使ったのはパチンコ。返せなくなり、闇金に手を出したことで発覚しました」。

 また、借金夫たちは妻の実家を巻き込むこともあります。

 借金夫と結婚した娘を想う父親からはこんな相談が寄せられました。「娘の提出が借金を作ってしまいました。3年前に200万円ほど用立てて、もう借金をしないと約束をしたのにもかかわらず。また懲りずに180万円の借金が発覚したので、娘は『もう一緒に生活はできない』と言っています。離婚は認められるのでしょうか」。

 借金夫との離婚は認められるのでしょうか? 濵門俊也弁護士に詳細な解説をしていただきました。

 

A. 「夫の借金」だけを理由に離婚することは難しい。

 

 配偶者の借金が、夫婦間のトラブルを生むことはよくあります。しかし、単に「夫に借金があるから」という理由だけでは、離婚は認められません。

 もっとも、ご相談者が旦那さんに「借金だらけの生活は嫌だ。離婚したい」と切り出し、旦那さんが合意した場合は、離婚することができます。しかし、夫婦二人で話し合っても結論が出ない場合は、家庭裁判所に離婚の調停を申し立てる必要があります。

 調停とは、二名の調停委員と裁判官からなる調停委員会が、第三者として当事者の間に入り、紛争解決に向けて話し合う手続です。調停離婚では、とくに離婚の理由を制限していません。今回のケースのように、夫の借金を理由とする申立てもできます。

 ただし、離婚調停は、あくまでも話合いでの解決を目的とした場でしかありません。話し合いがまとまらなければ、調停が不成立となります。旦那さんが離婚することを拒否し続けた場合、最終的には、訴訟手続で決着を付けることになります。

 訴訟では、離婚をしたい理由が、民法が定める離婚原因、つまり、「不貞行為」「悪意の遺棄」「三年以上の生死不明」「回復の見込みのない強度の精神病」「その他婚姻を継続し難い重大事由」の、いずれかにあたれば、裁判所に離婚を認めてもらえます。

 では、夫に借金があるというご相談者の事情は、民法で定める離婚原因に含まれるのでしょうか?

 夫の借金を理由とする場合は、通常「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するとして離婚訴訟に臨みます。しかし、過去の裁判例をみても、配偶者の借金のみを理由に離婚を認めた事案はありません。

 多くは、借金を原因として夫婦生活が破綻するに至ったことを重要な判断材料としているように思います。例えば、夫がギャンブルで借金まみれになり、家に生活費を一銭も入れず、妻が夫への愛情を喪失して夫婦関係が修復不能になっているような場合です。

 しかし、単なる「夫の借金」だけでは、夫婦関係が破綻しているとはいえず、離婚は認められないと考えられます。

 とはいえ、離婚ができず、借金の返済に追われる毎日はとても辛いでしょう。どうしても借金を返していくことが難しくなった場合は、まず弁護士に相談していただければと思います。債権者と話し合って返済条件をゆるやかにするなどの交渉ができますし、最後の手段として、自己破産も可能です。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.10.07更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

1 離婚慰謝料とは何ですか?

 

離婚するに当たり,相手方から不当な行為を受けた場合には,慰謝料を請求したいと思うのが人情ではないでしょうか。

婚姻関係や交際関係から生じる男女間での慰謝料請求事案は多く,なかでも近年は不貞行為慰謝料をめぐる紛争が増加傾向にあります。

厳密にいいますと,離婚慰謝料は,離婚原因である個別的有責行為による精神的苦痛に対する損害賠償請求権(離婚原因慰謝料)と,離婚そのものによる配偶者の地位の喪失という精神的苦痛に対する損害賠償請求権(離婚自体慰謝料)に分類されます。
ただ,実務上は,両者をあまり厳密に区別しません。そこで,この記事では,両者を合わせた概念として,離婚慰謝料という概念を用いることとします。


2 財産分与と離婚慰謝料との関係はどうなるの?

 

離婚慰謝料には,損害賠償としての側面と離婚給付としての側面とがあります。

そのため,財産分与において慰謝料的要素が考慮されたか否か,またどの程度考慮されたかは,離婚慰謝料の請求に大きく影響を及ぼします。

そこで,実務上は,後日の混乱を避けるために,財産分与と慰謝料は明確に分けて主張・立証をするようにされています。


3 婚姻期間は離婚慰謝料にどのような影響を及ぼすの?

 

離婚慰謝料の算定要素としては,①婚姻期間,②支払う側の資力,③有責性,④未成年者の子の有無等があげられます。

そのうち,①婚姻期間は大きな要素であり,長期間の婚姻関係は慰謝料増額の大きな要因となっている傾向がみられます。

これは,婚姻関係の破綻による精神的・経済的損害の大きさに比例していると考えられるのではないでしょうか。

そこで気になるのが「慰謝料っていくらもらえるのだろう?」ということだと思います。

「慰謝料の金額は100~300万円が相場とされている」などという情報を見られた方もおられるでしょう。
たしかに,多くの事案を経験しますと,その枠に入ってくる傾向は見られます。しかし,実際は事案次第のような気がします。


4 慰謝料請求の流れはどうなっているの?

 

⑴ 原則的には話合いかもしれないけれど・・・

 

同居していようが,別居していようが,もし相手方が話合いに応じてくれるのであれば,それにこしたことはありません。
しかし,実際は感情のもつれ等もあり,まともに話合いができないことが多いでしょう。とくに,暴力を振るうような相手方であればなおさらです。

 

⑵ 話合いでまとまらなければ,まずは離婚調停を申し立てます

 

もし,話合いでまとまらない場合,まずは離婚調停を申し立てることとなります(調停前置主義)。

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に,夫婦関係調整(離婚)申立書を提出することによって申し立てることができます。その際,希望する慰謝料金額を申立書に記載することができます。

 

⑶ 離婚調停でもまとまらなければ,離婚訴訟によります

 

調停がまとまらない場合は調停不成立となります。

離婚したければ離婚訴訟を起こすこととなります。この場合,管轄は相手方(被告となります。)の住所地のみならず,本人(原告となります。)の住所地でもよいこととなります。

離婚訴訟のなかで,離婚の問題と慰謝料についての問題の解決を目指すこととなります。


①裁判離婚をするには離婚原因が必要です

裁判によって離婚をするには,法律が定める離婚の原因(民法第770条第1項各号)が必要とされています。

具体的には,以下の通りです。
• 不貞行為

• 悪意の遺棄

• 3年以上の生死不明

• 回復の見込みのない強度の精神病

• その他,婚姻を継続しがたい重大な事由(暴行,浪費,犯罪,性格の不一致など)

セックスレスは,「その他,婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たるとされています。
慰謝料請求が可能なような場合には,離婚原因があると考えてよいでしょう。

②離婚訴訟の流れ

離婚訴訟は,以下の流れで進みます。

ア 訴状の作成

イ 訴状の提出

ウ 相手方(被告)へ訴状の送達

エ 第一回口頭弁論期日の指定

オ 数回の口頭弁論を繰り返す(弁論準備手続に付されることも多いです。主張と立証を繰り返し,争点を整理していきます。)

カ 証拠調べ(当事者ご本人に事情を聴きます。)

キ 判決

なお,裁判所は,訴訟のどの段階でも和解を勧めることができますので,途中で裁判上の和解が成立し終結することも多いです。

③裁判では,証拠の比重が多くなります

裁判では,話合いや調停の場合と比較して,証拠の重要性が増します。裁判では,証拠がなければ,その主張する事実はなかったという取扱いとなっています。

しっかり証拠をそろえて相手方の行為の違法性を主張することとなります。

 

投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.10.06更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

平成25年1月1日から,家事審判法に代わって家事事件手続法が施行されています。すでに2年を経過しており,実務的にも定着してきました。
今回は,家事事件手続法の主なポイントをご説明いたします。


1 家事事件手続法制定の理由

制定の理由は,家事事件の手続を国民にとって利用しやすく,現代社会にマッチした内容とするためです。

昭和23年1月から施行された家事審判法を廃止して,新たな手続を定めた法律が家事事件手続法です。家事審判法施行開始より60年以上を経過して,我が国における家族をめぐる状況や国民の法意識は大きく変化しました。現代社会では,当事者が手続に主体的に関わるための機会を保障することが重要になってきました。
そこで,家事事件の手続を国民にとって利用しやすく,現代社会に適合した内容とするために,全面的に見直し,新たに家事事件手続法が制定されたのです。

2 家事審判法のもとにおける運用との違い

① 申立書の写しの原則送付

原則として,申立書は相手方に送付されることとになりました[家事事件手続法(以下,「法」といいます。)256条1項本文]。

家事審判法のもとでは,相手方が感情的にならないように,申立書の写しを送るとはされておらず,運用にまかされていました。しかし,現代社会においては,自分自身の紛争に関する情報について入手できることが重要であり,また事前に検討して自分の言い分などを準備することができることから,原則送付としたのです。 

ただし,例外として「家事調停の手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められるとき」(法256条1項ただし書)が認められています。
たとえば,申立書を相手方にそのまま見せてしまうと,申立人と相手方との間の感情のもつれが一層激しくなって,手続の円滑な進行に支障をきたすおそれがある場合は,申立書の送付はしないのです。 


② 記録の閲覧謄写

審判と調停では取扱いが異なります。

○審判について

当事者からの請求は原則許可するものとしました(法47条3項)。
ただし,事件に関係する人のプライバシー等に配慮して,例外として一定の場合には不許可とすることができるとして,不許可とされる場合を明確に規定しました。

不許可とされる場合は以下の4つです。

ⅰ 事件の関係人である未成年者の利益を害するおそれがあると認められるとき
ⅱ 当事者又は第三者の私生活又は業務の平穏を害するおそれがあると認められるとき
ⅲ 当事者又は第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより,その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じ,又はその者の名誉を著しく害するおそれがあると認められるとき
ⅳ 事件の性質,審理の状況,記録の内容等に照らして当該当事者に申立を許可することを不適当とする特別の事情があると認められるとき

○調停について

家事審判法と同じく,裁判所が「相当と認めるとき」にだけ記録の閲覧・謄写ができます(法254条3項)


③ 陳述の聴取

相手方のある家事審判事件では,原則として,当事者の陳述(事件についての認識,意見,意向等)を聴取しなければならず,当事者の希望があれば,裁判官が直接陳述を聴く手続によって行わなければならないこととしました。


④ 審判の結果により結果を受ける者(子どもなど)の手続保障

審判の結果により影響を受ける者が手続に参加した場合の権限を明確にし,閲覧謄写等について,当事者と同様の権能を与えることとしました。

個別の家事審判事件ごとに,審判の結果により影響を受ける者等から陳述を聴かなければならない場合を明記しました。

とくに子どもが影響を受ける事件では,子どもの意思を把握するように努め,これを考慮しなければならないとしました(法65条,258条)。 


⑤ 電話会議システム

遠隔地に居住しているといった事情でなかなか出頭が厳しいという場合に,電話会議やテレビ会議の方法で調停の手続を行うことができるようになりました(法54条,258条1項)。
ただし,離婚や離縁の調停を成立にあたっては,本人の意思を慎重に確認する必要があることから,電話会議やテレビ会議の方法ではできません。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.10.06更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 年金分割の制度が開始され数年が経過しましたが,いまだ制度を勘違いされている方々がおられるようです。一番多いのは,「離婚後,年金分割をすれば,旦那の年金の半分がもらえる」と思っている方です。これは残念ながら「間違い」です。
 そこで,今回は,年金分割の制度とはどのようなものなのか,分割できる割合はどれくらいか,どのように手続をすればよいのかといった点を説明いたします。

●年金分割制度とは?
 年金分割制度とは,平成19年4月以降に離婚をした場合に,婚姻期間中の一方の配偶者の年金保険料の納付実績の一部を分割し,もう一方も配偶者が受け取ることができる制度です。
 年金分割の請求対象は,婚姻期間中の厚生年金と共済年金のみとなります。誤解されやすい点ですが,年金分割制度は,将来受け取る予定の年金額を分割するのではなく,年金保険料の納付実績を分割する制度です。

●年金分割の種類
 年金分割の種類には,合意分割と3号分割の2種類があります。それぞれ分割対象期間や対象者が異なります。
①合意分割
 平成19年4月1日以降に離婚した夫婦は,合意分割が利用可能です。合意分割では婚姻期間中の夫婦双方が支払った厚生年金・共済年金保険料の納付実績の合算が分割対象となります。婚姻期間中であれば,平成19年4月1日以前の納付実績も対象です。
 合意分割の名のとおり,夫婦間で合意した割合によって分割します。分割割合は2分の1が上限となります。夫婦で合意できなければ裁判所が割合を決定します。その場合には余程の理由がない限り,分割割合は2分の1となります。
②3号分割
 3号分割は平成20年5月1日以降に離婚した夫婦が利用可能です。合意分割と違い,配偶者の合意は必要なく,手続さえすれば確実に2分の1の割合で分割できます。しかし,3号の名のとおり,対象者が第3号被保険者のみとなります。第3号被保険者とは,民間企業のサラリーマンの扶養に入っている配偶者を指します。さらに3号分割の場合は,平成20年4月1日以降の婚姻期間中に,第3号被保険者であった期間のみの厚生年金保険の納付実績を分割します。
③合意分割と3号分割の関係
 平成20年4月1日以降の期間は,合意分割と3号分割のどちらの対象にもあり得ます。その場合はどちらかの制度の利用を申請すれば,もう一方の制度も申請したこととなります。そのため,どちらの制度を利用すると得するのかなどと悩む必要はありません。
 3号分割においては,平成20年4月1日以降しか分割対象とはならないので,それ以前の期間の年金分割が利用できる場合は,合意分割を申請します。その場合でも,平成20年4月1日以降は3号分割扱いとなり,2分の1の分割割合に決定します。
④分割割合の相場
 司法統計を見ますと,年金分割の分割割合を定めた調停では,ほとんどのケースで2分の1と定めています。2分の1は合意分割の上限であり,3号分割の割合でもあります。基本的には年金分割は2分の1で分割するものだと考えてよいでしょう。

●年金分割の手続方法
①合意分割の手続
 合意分割の場合には,夫婦間で話し合う前に,まずは分割できる年金の範囲や対象の期間などを知る必要があります。それらの必要な情報は全国各地にある年金事務所へ請求することによって取得できます。年金事務所からの情報を受け取った後にようやく夫婦間で話し合うこととなります。
 以下ではその具体的な方法を説明します。
ア 年金に関する必要情報を取得する
 年金事務所へ情報の開示を請求するために,下記の必要書類を提出することで3~4週間後に請求者の年金に関する通知書が郵送されます。
 ・情報提供請求書
 ・請求者の年金手帳または基礎年金番号通知書
 ・婚姻期間等を証明できる戸籍の謄本又は市町村長の証明書

イ 分割割合を決める
 年金事務所から郵送された通知書に記載されている情報を基に,夫婦間で分割割合を話し合います。もし話合いで決まらなければ家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停においては調停委員に対して自身の言い分を主張し,調停委員が妥当な分割割合を提示します。その割合に納得できない場合は,裁判所の審判によって分割割合が決定されます。
ウ 分割割合を年金事務所に申請
 話合いによって合意した場合,夫婦双方又はそれらの代理人が,合意内容を記載した書類を年金事務所に提出します。調停や審判の場合は,一方が必要書類を年金事務所に提出します。
②3号分割の手続
 3号分割についての手続の場合は,第3号被保険者が下記の必要書類を年金事務所に申請することで強制的に分割割合が2分の1になります。
 ・請求者の年金手帳または基礎年金番号通知書
 ・婚姻期間等を証明できる戸籍の謄本又は市町村長の証明書

●請求の期限
 年金分割には請求期限があるので注意が必要です。年金分割の種類に関わらず,原則として,離婚が成立した日の翌日から2年以内に請求しなければなりません。ただし,2年以内に調停を申し立てた場合などは,調停が成立した時点で2年を過ぎていたとしても請求が認められます。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.10.06更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 先日,とある法テラスにおいて法律相談を担当していましたら,「相手方を訴えたいのですが,相手方に支援措置をされてしまい,住民票が取れません。どうしたらよいでしょうか」という相談がありました。「支援措置をとられてしまいますと,たとえ弁護士が代理人として請求しても住民票の交付を拒否されるので,ご期待には応えられません」と回答しました。
 そこで,今回は,「支援措置」について説明します。

●はじめに
 配偶者からの暴力(DV),ストーカー行為等,児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者(以下「DV等被害者」といいます。)の方については,市区町村に対して住民基本台帳事務におけるDV等支援措置(以下「DV等支援措置」といいます。)を申し出て,「DV等支援対象者」となることにより,加害者からの「住民基本台帳の一部の写しの閲覧」,「住民票(除票を含む)の写し等の交付」,「戸籍の附票(除票を含む)の写しの交付」の請求・申出があっても,これを制限する(拒否する)措置が講じられます。
 ※詳しくは,貴殿の住民票がある市区町村にお問い合わせ下さい。

●支援措置の概要
1 DV等支援措置の目的
 DV等被害者の方を保護するため,住民基本台帳の一部の写しの閲覧(住民基本台帳法(以下「法」といいます。)第11条,第11条の2),住民票の写し等の交付(法第12条,第12条の2,第12条の3)及び戸籍の附票の写しの交付(法第20条)について,不当な目的により利用されることを防止します。

2  DV等支援措置の申出者
 住民基本台帳に記録されている方又は戸籍の附票に記録されている方で,次に掲げる方は,住民票のある市区町村や戸籍の附票のある市区町村等にDV等支援措置を申し出ることができます。
(1) 配偶者暴力防止法第1条第2項に規定する被害者であり,かつ,暴力によりその生命又は身体に危害を受けるおそれがある方
(2) ストーカー規制法第7条に規定するストーカー行為等の被害者であり,かつ,更に反復してつきまとい等をされるおそれがある方
(3) 児童虐待防止法第2条に規定する児童虐待を受けた児童である被害者であり,かつ,再び児童虐待を受けるおそれがあるもの又は監護等を受けることに支障が生じるおそれがある方
(4) その他(1)から(3)までに掲げる方に準ずる方
 なお,申出者と同一の住所を有する方についても,申出者と併せてDV等支援措置を実施することを求めることができます。

3 DV等支援措置の申出の方法,必要性の確認,期間
 住民票のある市区町村や戸籍の附票のある市区町村等に「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を提出すること等により,DV等支援措置を求める旨の申出を行ってください。
 申出を受け付けた市区町村は,DV等支援措置の必要性について,警察,配偶者暴力相談支援センター,児童相談所等の相談機関等の意見を聴き(※),又は裁判所の発行する保護命令決定書の写し若しくはストーカー規制法に基づく警告等実施書面等の提出を求めることにより確認します。必要性を確認した場合,その結果を申出者に連絡します。
 DV等支援措置の期間は,確認の結果を申出者に連絡した日から起算して1年です。期間終了の1月前から,延長の申出を受け付けます。
 ※ 申出書に相談機関等の意見を記載する場合,申出者が相談機関等に相談等をする際に申請書に記載してもらう方法や,市区町村から相談機関等に対し申請書への記載   を依頼する方法等があります。
 相談機関が明確でない場合には,民間の被害者支援団体やシェルターを設置運営する法人などからの意見等の聴取等によりDV等支援措置の必要性を確認する場合もあります。

4 DV等支援措置の内容
 加害者が判明している場合,DV等被害者に係る住民基本台帳の一部の写しの閲覧,住民票(除票を含む)の写し等の交付,戸籍の附票(除票を含む)の写しの交付の請求・申出が加害者からあっても,不当な目的によるもの又は相当と認められないものとして,閲覧・交付をさせないこととします。
 その他の第三者からの住民票の写し等の交付等の申出については,加害者が第三者になりすまして行う申出に対し交付・閲覧をさせることを防ぐため,写真が貼付された身分証明書の提示を求めるなど,本人確認をより厳格に行います。
 また,加害者からの依頼を受けた第三者からの住民票の写し等の交付等の申出に対し交付・閲覧をさせることを防ぐため,請求事由についてもより厳格な審査を行います。

 

投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.08.09更新

よろしくお願いいたします。

投稿者: 弁護士濵門俊也

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